Harley Davidson  XL1200L(Low) 



 2014.05.29撮影 数日後に富士スピードウエーのアメフェスでドラッグレースに出た!



2014.09.28のドラッグレースで又もやボルト抜け! 同時にタイヤ交換とNAPSでマリンコートとかいう磨きをして貰った。










スポーツスターは初心者入門用の格下ハーレーと思われがちだが、色々なタイプに派生しつつあるビッグツインよりも、基本的なフォーマットを崩さず、それぞれのパーツに歴史を感じさせながら、長い間熟成を重ねて現在でもバイクとしての魅力を十分に保っている。バイク歴46年の私はこのスポーツスターに普遍的な魅力を感じ、いろいろ弄くりながら末永く乗り込んで行こうと思っている。ただし、お店の勧められるがままに純正オプションのメッキパーツを(高いコストで付けてカスタムしたり、爆音マフラーや見にくい小型ウインカー、乗りにくそうなハンドルに変更はしない。







ウエストは充分スリムだ!

カスタムコンセプト Develop Segmentation

世の中には高回転・高出力の4気筒のレーサー・レプリカが沢山あり、窮屈なポジションだが驚くほど速いし簡単に誰でも買える。さらに普通のスポーツ&ツーリングバイクは変なタレ目に拳骨のようなタンクで、回転は驚くほど滑らかだが、どれも実用域で大人しく走ると私にはつまらない。(何にもワクワクしない)そして今まで3台のハーレー・ビッグツインを自分でほぼフルカスタムして、今度はゆっくり走ればハーレーVツイン独特の鼓動感を味わえて楽しく、でもその気になったら国産リッターバイクを軽く凌ぎ、レーサー・レプリカ(たとえばYZF−R1)にもそれほど負けない動力パフォーマンスを秘めていて、さらに直線番長のハーレー・ビッグツイン系には苦手な、曲がる&止まるも得意でコンパクトなハーレーという無茶苦茶なプランを立てた。その結果パワーは3,000回転でノーマルXL1200のピークパワーとほぼ同等の50馬力、さらに4,500回転では既に100馬力を発生し、ブン廻さなくても充分にパワフルであり、国内用YZF−R1との比較では、ピークパワーで勝り、トルクではR1の約2倍をR1の約半分の回転域で発生している。



ハーレーのカスタムは、ディーラーの薦められるがままに分厚いオプションカタログから選んでSHOPに頼んだり、好みのパーツのボルトオンは誰にでも出来るが、私の場合は、お手本無しで、自分で苦労しないと出来ない方法で進めた。今回のカスタムはハーレーお約束のワイド&ローでは無く、スポーツスターのトラッドなイメージは残しつつスリム&トール≠目指し、さらにメッキが大好きなので、豪華でファンシーなブリンブリン(キラキラ感)を目指して何度も渡米してパーツ調達に奔走し、純正パールカラーやメッキパーツの大幅採用で一見メーカーオプションのようで、よく見ると中身は別物のバイクを目指した。
とにかく直線でもコーナーでも思いっきり軽快でシャープな手応えを感じたかったので、最初は7千回転回る(88馬力)フルチューンエンジンから一転してターボを導入したが、全く参考事例が国内に無いので、失敗学習で『壊れては、その部分を強化修理する』サイクルを積み重ねることで、トルクの落ち込み解消と、他に例の無いハイパワーを得て、パフォーマンス面で現在はノーマルの約3倍、SHOPカスタム・チューンの約2倍を超える後輪軸出力171.6馬力&トルク20.3kg・mのポテンシャルを、装備重量269kgという国産リッターバイクとそれほど大差ない重量で実現した。さらにターボ化で排気音も静かだ。それと、空冷ジャケットの関係で大型タービン(ポルシェターボや13B,L20用)が排圧不足で排気量にマッチしていないので、最適なのは軽自動車クラスのタービンを使えたら、その時初めてフルチューン(全てを最適化)したと呼べるだろう。なお、他で20kgf・m超えのトルクはトライアンフのロケットVぐらいだろう。


180km/h位までならタンデムでの坂道でも
、ほぼ同じような加速が味わえ(追記)実際のドラッグレースで400m地点では180km/hが確認出来た。さらに
レプリカのようにアクセルに過敏に反応するタイプでは無いので、神経を集中して窮屈な姿勢で乗ることも無く、当然トラクションコントロールも不要で、いつでも無造作にアクセルをガバガバ気楽に開けられる楽さも大きな魅力だ。さらに前後OHLINSのサス+強化スプリングに18インチに変更したメッキホイールにBSバトラックスのラジアルタイヤで峠も軽快に楽しめる。そして各部のメッキやワンオフパーツなど、現時点で考えられる最高の走行性能と私なりのワン&オンリーのカッコ良さをコスト気にせずに進めた。このページは2007年の購入前の構想からステージ12+エピローグ4までの約8年間の紆余曲折のプロセスを忘れないために作成しています。とにかく、このスポーツスターはトロトロのんびり走っても楽しいし、気合いを入れてフルブーストを掛けてもホイールスピンもウイリーもせずに気楽に飛ばせるが、走れば常に私の心に何かを語りかけてくる。このフィーリングは、どんな高性能な吊しのバイク(フルノーマル)にも無い味わいだろう。ただし、トロトロのんびり走る時の楽しさは、ノーマル・ハーレーであれば同じだと思う。

一般的に200万か300万で高性能車は誰でも買えるし、SHOPで改造にいくらお金を掛けても、この手のスポーツスターは売っていないし、国内SHOPにも仕上げるノウハウは多分無いだろう。(というか、すぐにどこかが壊れるからやらないのかも)そして、私のポルシェもそうだが、車体やハンドルから伝わる音と振動のインフォメーションで40km/hで流していても楽しい。特にスポーツスターは鼓動感が心地よく、躾の良すぎる大人しい(面白く無い)4気筒のバイクには絶対に真似は出来ない。つまり、遅くてもハーレーは楽しいが、遅い乗り物を速くしても別に悪いわけではないし、パワーは定期預金と同じで、有るだけで使わなくてもいいが、使いたいときには思いっきり気分良く使える方が良い。まあ、物騒なハナシだが軍事力の持つ抑止力にも近いかも。さらに、速ければ確かに凄いが、偉い訳ではないし、ノーマルのハーレーが嫌いな訳でも無い。四輪では車両金額やパワーや最高速のヒエラルキー(階層)があるが、二輪のパワーヒエラルキーに、あまり関係ないのがハーレーとビクトリーだと思う。吊しのバイクを買って高性能を自慢したって、それは金さえあれば誰でも出来るが、買えば誰でもそのパワーをフルに発揮して気楽に乗りこなせて楽しめるとは限らない。私はバイクインストラクターとして35年間で10万人以上のライダーと接して来たが、車重とハイパワーを持て余し、乗るのに苦痛を伴うライダーも少なからず見て来た。まあ、所有する楽しみや、荒馬を乗りこなすのも楽しみかもしれないが、、




TRASKターボキットから、IN&EXパイピングはワンオフ、CHR(タービンの羽)もオーダーメードで、燃調は手探りで数年かかった。
黄色いエアクリーナーカバーはイメージ維持のためのダミー




【参考比較資料】
*青い字はメーカー公表値 
*赤い字は後軸実測値(メーカー公表値より10〜20%落ちる)
YZF−R1(フルパワー)      最大馬力 180.0PS  最大トルク 11.7kgf/m  車両重量 212kg
YZF−R1(国内仕様)       最大馬力 140.0PS  最大トルク 10.0kgf/m  車両重量 212kg

YAMAHA MT−01       最大馬力  90.0PS  最大トルク 15.3kgf/m  乾燥重量 243kg
新型V−MAX 1680cc      最大馬力 151.0PS  最大トルク 15.1kgf/m  車両重量 311kg
トライアンフ ロケットV       最大馬力 142.0PS  最大トルク 20.4kgf/m  乾燥重量 320kg

ハヤブサ(フルパワー)        最大馬力 197.0PS  最大トルク 15.1kgf/m  装備重量 263kg
ZZR1400 ※東南アジア仕様   最大馬力 200.0PS  最大トルク 16.9kgf/m  装備重量 260kg
ドカティ スーパーバイク1198   最大馬力 150.0PS  最大トルク 13.4kgf/m  乾燥重量 171kg
   BMW S1000R         最大馬力 156.0PS  最大トルク 11.4kgf/m  装備重量 207kg
   
XL1200TURBO(私の)    後軸馬力
 171.6PS  後軸トルク 20.3kgf/m 実測重量 269kg
XL1200インジェクション各車   後軸馬力  52.0PS  後軸トルク 7.5kgf/m  公表重量 280kg


常用回転ではダントツだろう!つまり、シフトダウン無しでアクセルを開けたら圧倒的勝利だ。


車重は重いがロケットVが低速トルクではカタログ上ではダントツだが、MT−01を加えた2台以外は全て高回転タイプなので、私のハーレーのピークパワー発生時の6,000回転で比べたら、さらに大差があると思う。思えば、ココまで追い込むには、多大なリスクとコストを覚悟することが必要で、そう簡単では無かった。一切挫折せずに8年間諦めずに執念深く追い込んだ自分をクレイジーだと思う。それとよく聞かれるが『幾ら掛かったの?』答え:お金出しても作れないのに 『もう一台買えるぐらい掛かったのでは?』答え:パーツだけでも新車一台分では全然足りないし、もしSHOPに全てお任せで作れたとしたら、まあまの高級外車並だろう。それと、私はこのスポーツスターを『フルカスタム』とは考えていない。パーツ交換が目的では無く、セグメントごとに自分の理想を追求しただけで、シートとフェンダーは純正オプション、ステップ、ハンドル、ウインカー、タンクはノーマル形状のままだ。  



           抜粋履歴  *詳細は各STAGEで                                                                        
2007.05 渋谷のハーレーパルコで納車される。 その後何度も渡米してパーツ調達を重ねる。
2007.09 OHLINSの前後サスに、シングルDISKにPMの6ポットをWで使う面白い強烈ブレーキにする*後日DISKの熱変形などトラブあり
2007.   SEのレーシングヘット、カム、ピストン等を個人輸入して、ハーレーパルコで組んで貰う 約60万円 *当時データーが無く、燃調は取れなかった
2008.   ハーレーパルコ川越で燃調を取って貰い、
80馬力を確保する。 
2009.08 その後マフラーを何度も交換したが、低速が不調で、所沢のバーンさんで、サンダーマックスのフルコンに交換して
88馬力になり、出足快調で7,000回転までGOODだった。
        ただし、ライダーが聞き疲れするほどの爆音だった。
2009.06 本国ハーレー本社で特注イエロータンクを塗装して貰い、イリノイ州経由で日本に送って貰う。$787
2009.06 さらなるトルクUPを目指して1,474ccにボアアップを試みるが、失敗に終わる 約20万の授業料が消えた
2010.06 構想に3年かけたボルトオンターボを導入=
ハワイまで取りに行く  *その後1年間は所沢のバーンさんで何度も試行錯誤で再燃調する 100万超え?
2011.04 タービン周りのパイピングを横浜のガレージリンクスさんにワンオフで作ってもらう
2011.05 箱根でフロント・DISKにクラックが入る 
2011.06 首都高トンネル内で
プーリーボルトが緩んで脱落し、レッカー車で帰宅 もし後輪ロックでコケて後続車に轢かれていたら、、 *即刻ハブ&ボルトを強化
2012.03 メカニカルVVCでブースト圧0.8→1.1に上げた。
2012.07 VVCをEVCに変更し、さらにHKSのEVCに交換してブースト圧1.1→1.4まで上げた。
2012.08 レスポンス改善のため北海道のターボMさんでタービンのCHR(センターカートリッジ)を交換してもらう。  もうボルトオンでは無くワンオフターボだ! 8万
2012.09 NAPS東八のダイノで
147馬力&トルク17.7kg・mを得る *私の知る限りスポタで最強だ!実測装備車重269kgだから意外と軽快だし、、
2012.09 箱根のコーナー手前でブレーキ・フカフカで死にそうになる *ペーパーロックとDISK偏芯 シングルDISKでは荷が重いのだろう。即刻30万円掛けてWディスク化へ
2012.10 クラッチをバーネットで再強化するも、
逆効果でベロベル滑る。ベロベロ滑るクラッチは→後日バーンさんで遠心VPクラッチに交換してもらう。
2013.02 春日部のテクニクスさんで前後OHLINSのオーバーホール、FブレーキはWディスクで完璧になった。
2013.03 フルブーストでミスファイアーすると思ったら、だんだん症状が悪化して
結局エンジンブローした! ガスケットが抜けたか、スタットボルトが折れたか、                
        それとも最悪はピストンが溶けてタービンが逝ったか? エンジンを開けてみるのが楽しみだ!
2013.04.エンジンブローの原因はスタッドボルトの緩みからガスケットが抜けたので、ボルトはワイアリングをして、ヘッド面はミーリング、シリンダーはホーニング、
        そしてカムをノーマルに戻し、さらにブローバイガスの処理にリードバルブを付けた。それと、SHORAIのリフェリバッテリーは始動性抜群だ。
2013.05.最終的に燃調を取る前にブースト圧1.5で
後軸147馬力、トルクは何と19.5kgf/mを記録。コレで燃調を取ってカスタムは本当に終了した。その後何度か快調にツーリングをこなす。
        でも現実にはピークパワー近辺でインジェクターの噴射量が追いついていない。
        箱根ターンパイクを妻とタンデムでフルブーストかけたら180km/hまで一気に出そうになった。坂道でもタンデムでも加速に差がないのに驚いた。
2013.10.ブーストメーターが逝ったので、今度はラバーマウントにしてBLITZ製を付けた。
2013.11.カナダの友人の協力で、アメリカよりVRXSE V-ROD Destroyerというドラッグレーサー用のビッグ・インジェクターを輸入して、形状・コネクター・抵抗値もOKなので装着したが
        ダイノ上で燃調中にまたもや
エンジンブローしてしまった!またガスケット抜けだろう
2014.01 未対策のスタットボルトを全てWヘリサートで強化して完成した。快調に箱根ツーリングでピストンリングの慣らしを進行中
2014.04 3回目のエンジンブローは、多分コンロッドが折れてクランクケース(国内価格26万円で、いつも在庫なし)をぶち抜くだろうと予想し、ハワイまでスペアパーツとして取りに行った。$900
2014.05 信号スタートでスクーターをぶち抜くのも飽きたので、富士スピードウエーのドラッグレースに参加を決める。ただし、レギュレーション対応以外は、一切の準備なしのぶっつけ本番で勝負だ!
2014.06 富士スピードウエーのドラッグレースを堪能した。ただしターボ車はレギュレーション上、改造無制限クラスとなり、ライバルは2,400ccのNOS付きなどで、結果はクラス最下位だった。
2014.06 フロントホイールのベアリングが逝ってしまった。分解したらリテーナーがバラバラだった。内径がインチで外径がミリという小さめの変則ベアリングのため、ホイールハブを加工してもらい、
        外径がワンサイズ大きいHD純正のベアリングに交換した。
2014.06 そろそろエンジンも馴染んだし、ドラッグレースでも快調だったので、NAPSのダイノマシーンに乗せてぶん回したら、タービンからインタークーラーへのパイプがズレて圧力漏れで盛大な水蒸気が噴き出した!
2013.07 早速ゴムホースを3プライの強靱な物にしてもらい、NAPS三鷹東八のダイノで、後軸で
171.6馬力、トルク20.3kgfーmをマークした。 
        その帰路で、ウインカー異常でTSMユニットが壊れた。*TSM交換はT−MAXを一度ハズして、ノーマルのECMに繋いでからTSMを再セットUPが必要とのこと。
        さらに、脇見のBMW6シリーズに左折合流でタイヤとマフラーにオカマされ、もう少しでハイサイトのように転びそうだった。*その場では破損箇所が判らず、そのままBMは放免してしまった。
2013.07 HDシティ中野でTSMユニットの交換をして貰う。
2013.07 ドラッグレースが縁で知り合った、練馬の方と同じXL1200同士で箱根へツーリング。帰路、東名を降りて246でマフラーから白煙が、、
        *追記 K&Nのエアクリーナー・オイルの塗りすぎ!というよりも、ターボは掃除機並みの吸引力があるので、空気と共にエアクリーナーオイルが吸われたようだ!
2013.09 再度ドラッグレースに参戦したが、結果は盛大なホイルスピンで惨敗し良いところ無し。おまけにETCやウインカーが壊れ、さらに複数箇所のボルトが抜けたり、バカになって壊れたので、
        抜けたボルトはヘリサートを立ててもらい、NAPSに持ち込んで調べたら、ETCは振動による断線だった。それとタイヤはZRではないが新品に交換し、さらにNAPSでマリンコート
        とかいう磨きを施して貰いピカピカになった。!


  
  
カスタムの履歴 Stage1〜Stage12

完成後のエピローグ1

完成後のエピローグ2

エピローグ3 レース参戦

完成後のエピローグ4

エピローグ5再レース



   
苦心してたとりついたフロント周り   *シングルディスクの頃、箱根ターンパイクの登りを160km/hぐらいで、ベーパーロックかDISK偏芯でフロントブレーキがフカフカになり、もう少しで昇天するところだった。(今でも夢に出てくる)



2012.10.10 ブーストメーターをBRITZに変えて、ラバーマントとした。



なんだか解らないうちに3連メーターになってしまった。メッキ加工時には『悪趣味』と思われたが、OHLISとのカラーマッチで私はお気に入りである。これに合うにはデイトナの金無垢腕時計だなあ。



2013.10.10 撮影

 
変更箇所を数えたら、逆にフレームとクランクケースとシリンダーは当然だが、ハンドルスイッチと、巷では良く取り替えるハンドル、ウインカー、テールレンズ、ステップがオリジナルだった。




なぜか左からの写真がWEBでは少ないなあ



ローダウンや、つや消し黒のダーティは好みで無いので、トール(背高)でキラキラ(ブリンブリン)がイメージ。さらにレーシーな前傾も苦手なので、あくまでヲヤジ乗りスタイル。7年乗ってこのポジションは体に馴染んでいる。
乗れないときはこの画像を眺めて楽しんでいるんだ。ちなみに60%の期間は修理中で分解状態かパーツ待ち。



ナポレオンのミラーに交換



コノ時点での最大トルク19.5kgf/m(現在は20.3kgf/m)