ハーレー スポーツスター ターボ案
結局 超有名なタービン≪ギャレット≫をGETしたぞ! T28タービン使用のGT280ファミリー
2009.02.07から検討を開始
スポーツスターのハイパワーは88馬力で充分に得た。(ハイパワーはもう充分だ!)でも爆音での高出力は本当はやりたくなかった。というか乗っていて爆音疲れというか、気合が入っているときは最高だが、大人しく走りたいときは結構ライダーにも喧しいんだ。さらにどうしても2,500回転辺りのトルクの落ち込みが消せずに、低速時にギクシャクしてしまう。とすると、静かでパワフルは排気量の拡大が手っ取り早いがステージ3で過去に断念しており、所沢のバーンさんからは“ソコまで空冷エンジンでパワーに拘るのならNOSはどうなの?”とのことだったが、1994頃に定期購読していたホットバイクという雑誌で、ボルトオンターボのキットの記事が出ており、コストも多分40万円程度だったと記憶しており、“人生でいずれトライしたいリスト”に密かに入れていたが、どうも数年で市場からそのキットが消えて。また違うところが新たにターボ・キットを出す、、の繰り返しのようだ。そして時代は重厚長大からエコに変わり、四輪でもBMW2002やポルシェ930ターボに始まる高性能のためだけのターボから、フォルクスワーゲン・ゴルフが3.2Lの大排気量や2Lターボから、数年前に1.4LモデルTSIエンジンのターボコンセプトに移行しているのを見て、時代は使いやすい(高度に管理された)現代風実用ターボに移行しつつあるのにインスパイヤーを受けた。メルセデスのSクラスも1.8Lにターボを出したし 余談だが、ビッグツインをボア・アップしたりして高性能化すると、強まった爆発の鼓動感がマイナスに作用し、エンブレからパーシャルスロットに移る瞬間などにゲコゲコして行儀が悪くなるのを過去に体験しており、今回は(ターボラグが多少有っても)行儀のいい(さらに静かな)エンジンを目指したい。ツインクラッチ(オートマ)のスポーツバイク、前2輪バイク、ターボバイクなど四輪や最新のテクノロジーはバイクに波及しない!? 売れてないから開発は難しいのは分かるけど、バイクがガラパゴス化してしまうぞ!ビッグバイクは高齢者の若いころから引きずってきた趣味?
ターボ導入までの道のりはココ
色はブラックではなく、ポリッシュを選んだ。
製造元のトラスク社のニック・トラスク社長と約1年4ヶ月メールのやりとりをして、直ではなくいつものTNTハーレー社経由で発注した。
>>>> Trask said that the price is $5630.00US For the time being,
I will paypal now. Let's adjust the difference later.
Hello Kiyofumi,
I just got off the phone with Nick Trask, and we are getting you the new
style, in polished with the intercooler option and t-max base map and 2
bar sensor with instructions. He knew exactly what you wanted, and basically
told me. I'm thinking you two have been talking? :>)
He said about two and a half weeks (2.5). So hopefully it will arrive here
in time so that I can get is shipped to you in Hawaii.
新型が出たぞ!フルキットでハワイ滞在中に納期はOKだ!
PAYPAL *TNTACTIONSP SG SINGAPORE SNG 8 ¥520,452 (1$=92.44円)
2010年6月にハワイのホテルまで送ってもらい、ハンドリングで持ち帰る。重さはアルティックのスピーカーユニット604−8HV(19kgx2)も買ったので、手荷物が制限の22kgX2個を超えそうなので、ビジネスクラスに変更。(でも寸法オーバーで空港カウンターで箱の詰め直しをした!)
2010.08.24
ハワイから持ち帰ったキットをリンクスさんの協力で仮組をする。ボルトオンといえども再加工、微調整は相当必要。併せてボルト等のパーツ不足で、急遽本国へメールする。
ブリーザーボルトが、最初はキットに欠品、再送を依頼したらビッグツイン用を送ってきた。さらに再送を依頼したが、一ヶ月経っても来ないのでもう一度送ってもらう。このブリーザーでヘッド周りのブローバイを逃がすが、オリフィスになっており、安易に大気開放にするとターボではピストンリングが落ちる心配があるとのことで、パーツ待ちで無駄な時間が掛かった。
さらに、四輪ターボに詳しいリンクスさんの高橋さん曰く
1.大型インジェクター、強化クラッチスプリングなどは付けたが、問題の圧縮比は9:1に落としているが、さらに落とした方が良いとのこと 7〜8:1を推奨→下記2とともに、燃焼室の拡大で実行した
2.ノーマル・ピストンは鍛造でないのでブーストUPに耐えられないだろう(ワイセコで凹んだ鍛造ビストンヘッドをバーンサンで見つけたので変更)
3.VVC(ブースト圧の調整機構)は機械式か電気式か決めかねているが、通常ブースト0.5、スクランブルで0.8を目指そう。 後日、どんどん欲が出てきて方針変更
4.マフラーはスパトラを途中から溶接して使用。ブラケットはワンオフ&再メッキ
5.サンダーマックス(ターボとNOSのセンサー入力がある)を外し、トラスク社からのデータを所沢のバーンさんに持参し、自走してバーンさんに行く時のためにデータを入れてもらう(でもまったく合っていなかった)
やること山積
凹んだピストン
2010.10.23
仮組み完成! チョット見ると普通のスポタ でも本当はすごいんです!なにが?
一見すると、オイルクーラーに見える! インタークラーの面積が少し少ないかも、後日記述:ブースト0.8ならクーラーは不要かも、、
ぎりぎりで控えめなパイピング 本当は外観から解らないシークレットターボも出来たらいいなあ
各所で再加工が必要だったとのこと(微妙に位置は合わないし)
やっと実装までこぎつけた。
キットには
タービン
エキゾーストパイプ
インタークーラー
強化クラッチスプリング
大型インジェクター
T−MAX向けブーストセンサー+マップ
が含まれているが、やっぱりホルトオンとは名ばかり。
穴位置は合わないし、
予めエンジンをおろしてクランクを割ってクランク内圧を落とす穴を4カ所開けて(ヘッドブリーサーはキットを使い)
883を1200用にボア・アップ時に使用する(凹んだ)ワイセコ鍛造ピストン(883のヘッドに1200ccシリンダーだと燃焼室が小さく圧縮比が上がりすぎる)
今回はヘッド容積を加工し圧縮比を7.8:1まで落とし、
カムはSEのややマイルドに変更、
排気ラインはマフラーをスパトラトを採用し、私好みのデザインにするためエキパイをワンオフ+再メッキでバンク角も十分に確保した。
それとT−MAXの大雑把なデータはブーストセンサーとセットオプション同梱のCDーROMからバーンさんで予め入れてもらったが、空燃比、油温、排気温、ヘッド温度等はいまのところ未知数というか全然合っていなかった。安直にアクチュエーターは弄らずに、さあこれから試走だ!
タービンがギャレットT25系(自動車では有名)だからややドッカンかも知れないがVVCなどの四輪の汎用部品がたくさん使えそう
2010。10。26
燃調を追い込んで貰うために横浜から所沢まで、初めて試走(自走) 第一印象:とにかくノーマル並みに静か! まだ本気で全開は出来ないが、2,300回転あたりからブーストがかかるとそれほど急激ではないが今までにない程モリモリとパワーを感じる。ただし今までのような、ハラハラ・ドキドキの加速感は薄れ、大人の加速になった印象で、すでにこの時点で今までのように大轟音で7千回転までブン廻す気が薄れてきた。それと心配していたどっかんターボ感(急なターボの効き方)は全く感じられなかった。(言われなければターボバイクであることも判らない感じだ)YAMAHA V-MAXのVブーストは歓迎されたのに、1980年代の国産ターボバイクは(小〜中排気量で低速トルクの無いエンジンで)このどっかん感がライダーに恐怖心を与え不評の要因として流行らなかったのかなあ?でも、今のところ全く燃調が合っておらず、走り出して直ぐにエンジンチェックランプが点滅か連続点灯。ただしT-MAXの調整範囲らしく、アイドリングは維持するが頻繁にストールするので、本日の移動はエンストしない高速を選んだが、途中渋滞で下道をトコトコと心細く走った。(あまりヘッドが加熱するとTーMAXの調整範囲から外れてアイドリングが4,000回転以下に落ちないことが過去にあったので) マフラーをスパトラに変えているからか?トラスク社の燃調データが合わなようで(セット付属のマフラーより抜けは悪そうなので燃調が薄くなることはないと思うけど)注:燃調が下で薄過ぎ、上で濃すぎました。データも結構大雑把なのだろう。ターボがあまり好きではなく、イマイチ気乗りしない顔色のバーンさんの奥川さんに半ば強引にバイクを押し付けて燃調をお願いし、西武線小江戸号で帰宅。燃費は今までは、高速大人しくで24km/L 都内近郊下道大人しくで20km/L 高速全開で14km/Lぐらいだったが、今回、高速・下道半分で時々ブースト掛けて15km/Lとまあまあ。なんとか年内に2〜3回はツーリングに行きたいなあ。
ブーストメーター(キット標準)
ココで一言 ボルトオンの言葉を安易に鵜呑みにしてポン付けで120馬力を狙っても、そう簡単ではないかも。それから国内のハーレーSHOPよりも四輪車のターボの経験が豊富なSHOPのほうが遥かに安心。また国内ターボバイクSHOPを私はよく知らないし、行きたくもない。時々いくらお金を掛けているかを聞かれるが、お金を掛けただけでは同じものは出来ないと思う。異常なまでの思い入れと、ああしようか?こうしようか?と常に悩み、時間を掛けて色々調べて仮説を立て、深夜に起きて本国とメールや辿々しい英単語の電話でパーツを発注し、それを口実に(計7回)ハワイ旅行をセットしてハンドリングで持ち帰り、必要に応じてリンクスさんの協力も受けながら、その計画に沿って自分で実施し、結果の手応えを実感するのがパターン化したが、とにかくたまらなく楽しい。逆に言えば、オプションカタログからSHOPの進められるままにカスタムを依頼したり、ポン付けで終わるのは直ぐ飽きるし、つまらない!? 私はハイエースにエアロとエアブラシで数百万もぶち込む人の気持ちは解る方かも、、4台目となるハーレーのフルカスタムは、これでほぼ一息つきそうな感じ。1$=122円の頃にほとんどのパーツを個人輸入したが、今となってはハーレー部品をごっそり手荷物でハワイから持ち帰るのも懐かしい思い出で、さらに毎回山のように出る梱包材(緩衝材)を文句も言わず片付けてくれる妻が、完成したらタンデム・ツーリングを心待ちにしているので、早く叶えてあげないと、、ココまでやりたい放題出来たのも内助の功が有ったから!?
2010。10。30
奥川さんから携帯に着信アリ。トラブル発生かと思いきや、すんなり燃調が取れた!とのこと。後軸114馬力、トルク13.6kgm ターボラグも感じずトルクも出ていて静かで乗りやすいとのこと!
2010.11.02
で、どうだったか?
乗った!走った!感動した!
燃費は高速80km/hで23km/L。80km/hでチェックランプ(ヘッド温度190度C)が未だ時々灯くので低負荷時の燃調設定はかなり薄め。今後の様子を観よう。そしてターボラグや段付きは皆無。音も静かで何度も書くがターボであることも言われなければ誰も判らないだろう。3千以下からでも充分パワーを感じるし、7千まで回せば後軸120馬力は出るだろうが安全を見てレブリミットを6,500にしたとのことで『どっかんターボ感』は微塵もない。そして4千以上はちょっと怖いほどの瞬間加速。新車で購入して3年半の間、ただひたすらにこの空冷2バルブOHVのレトロなエンジンのパワーUPに励んできたが、これで完全に終止符が打たれた感じだ。(後日欲が出た)もう十分。もう満足。見方を変えれば、パワーは銀行預金と同じ。いざとなれば使えばいいし、使わなくてもあるだけで安心。というか逆に無理してぶん回す気にならずかえって安全。
ノーマルとの比較
パワーは5,500でノーマルの約2倍だ!
トルクも5,500あたりでノーマルの約2倍 見事に2,500ぐらいのトルクの落ち込みが消えている!
ノーマルは日本向けだけが、メーカーの加速騒音自主規制で、どうしてもトルクに谷が出る。スタートはこの谷を消すことだった、、、それがいつのまにか、、つぎ込んだ金額は手元に電卓がないので計算ができないが、愛する家族であるバイクに高度先進医療をつぎ込んだと思えば安いものだ!とにかく、乗ったら『思わず顔が、ニヤケルほど楽しい!』ここまで懲りずに付き合ってくれたTNTアクションスポーツのブラッド氏、トラスクターボ社のニック社長、ガレージリンクスの高橋社長、バーンの奥川さんに感謝だ。あとは存分に乗って楽しもう。
一応カスタムはおしまい(本当かな?)
オーバーズボンがマフラーに焦げ痕!
2010.11.05
ターボパワーを妻と存分に楽しもう!? 子供を幼稚園に放り込んだ後で、速攻で妻と首都高に乗り、以前にも妻とタンデムで行ったことのある箱根塔ノ沢のワタナベ・ベーカリーへシチューパンを食べに行く。(リアサスかなり沈んでるなあ!)
良くあるポットパイも良いが、ここのシチューパンは皿を汚さずに食べるのは特技が必要?
お土産は、結構有名な『梅干あんパン』 あとは徳蔵丸の土産店でアジの干物を少々。
で、問題の走りは?
1.バイクの右側に重量物が沢山付いたからか?直進状態でもなぜか常にハンドルが左に強く切り込むため、走り出して直ぐに肩と肘が痛くなってきた。走行中も微妙にふらつくし、コーナリング特性も左右で大きく違い箱根の山道を攻める気が失せてしまった。このバイクで山道やロングツーリングは無理かも?原因は帰路に判明したが、タンデムしていた妻が前を見るため大きく体を腰から右にせり出して右に常にリーン・イン姿勢で乗っていた! どうりで右バックミラーにはいつも妻の顔しか映らないし、停止時にも変にふらついたんだ。『前後には動いても良いけど、左右には動かないで!』を妻は忠実に守り、族のハコ乗りならぬ、右せり出し乗り! 彼女は帰路で右足が疲れて真ん中に座ったらしく、その時からハンドリングは劇的に改善(当然) タンデムは何度も妻としているが 『真ん中に乗ってね!』を言わなかった私が悪い。
2.80km/hまでの定速走行などの低負荷時の燃調が薄すぎて、チェックランプが頻繁に点滅から点灯へ。小田原厚木を降りて箱根湯本駅前の渋滞でアイドリングが3千回転まで上がってしまい、もうアウトで10分休憩。帰路でも高速を降りると直ぐに点灯。ただし今の季節だからインタークーラーは冷えたままだ。→明日所沢のバーンさんに急遽持ち込みへ
3.問題の加速はほぼ満点。100km/h一定だとブーストは掛からないが、110km/h辺りから軽くブーストが効いている。そしてパワーの出方は回転数に比例する感じなのでドッカン・ターボを覚悟していたのでやや肩すかし!?ただし各ギアでの最高速はエンジンのレブリミットの設定次第なのでノンターボと同じだが、到達時間はターボが圧倒的に早い。ただしガバッとあけた瞬間にごく一瞬回転が引っかかる感じの(注:後日無くなりました)後でグワーンと加速する感じ。タンデムでもメーターの針が(子供のおやつの時間)あたりまで一気に周りブーストメーターを眺めている暇もない。燃費は16km/L(飛ばしすぎだなあ)
4.箱根と妻は相性が悪いのか、ポルシェで行ったときはタイヤがフェンダーに当たり、今回はサスが沈んで右ハンク角が極端に少なく、箱根の山道の普通四輪の流れでもコースの取り方によってはガリガリ! これは排気系の位置を見直さないとならないなあ。もしかしたらアップマフラーか妻のダイエットかなあ?でも堅めのオーリンズがかなり沈んでいたからなあ、、、
5.妻曰く高速タンデムでは、ダイナローライダー(FX−D)の方が振動はビシビシと大きかった。加速感はXJRとほぼ同じぐらいで、音は今回が一番静か、でも私がどのような速度で走ろうと『帰りは暖かくて眠かった!』とのこと
まあ、こうやって妻と共に乗り込んでバイクの熟成を重ねるのも楽しい。というか愛妻は私が何かやろうとすると、ブレーキを掛けるのではなく、妻自らブーストを掛けて(私を煽って)私が苦労するのを見て楽しんでいる。わが家にはバイクと妻の2個のタービンがある!?
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