スポーツスター stage7 (最終章)

3年半掛けて、実際の走りはどうだったか?

【エンジン】
(ターボ装着前)
今まで乗ったハーレーはボアアップでトルクUPが主体だったが、今回は回転パワーで稼いでおり往年の2サイクルエンジンのようなピーキーさが出てきた感じで、ドカを除けば十分に高出力なVツインに変身したといえ、昔乗ったビュエルのノーマルより遙かにパワフルだ!エンジンパーツとマフラー4本で100万を超過!でも、パーツ手配を全て国内でやったらその2倍は掛かっただろうと思う。*とにかく7、000回転まで一気にガンガン良く回る。特に4,000〜7,000回転がメチャクチャ美味しいエンジンだ!ただし、どうやっても2,500回転辺りでのトルクの落ち込みは消えなかった。

(ターボ装着直後)
ノーマルとは桁違いのパワーとトルクを得たことで、とにかく走りに余裕が出たし、2,500でのトルクの落ち込みも綺麗に消えた! そして2,300回転からブーストが効くのでターボラグは全く存在しない。今までは気合いを入れた加速ではムキになって7千まで各ギアで引っ張っていたが、ターボパワーのおかげで早めにシフトアップを気楽にしてトップギアでも充分すぎるほど速い。4速なら50km/h、5速では70km/h以上なら一切シフトダウンは不要で最高速までガンガン加速する。それでいて普通のスポーツスターと同様に2,000回転辺りでトコトコ走ってもエンジンの鼓動感が楽しめる。2014年7月の最終的には後軸で171.6馬力、トルクが何と驚きの20.3kgf/mが出ている。これは坂道でも、タンデムでも殆んど加速に差が無いという驚きの動力性能だ!なんだかんだでターボ関係で100万円+アルファは納得のコストだと思う。ただし夏場の渋滞の熱ダレは今から心配の種でもある。 注 現在熟成は進行中です。

【前サス】
ノーマルは強く攻めるとふわふわ感があり、またフロントブレーキをある程度強くかけて行くと急に腰砕けのようにフルストロークしてしまい、リニアティはとても良くないが、一般的にフロントブレーキを掛ける強さは、@レバーの握力と、A荷重の前への移動具合、Bフォークの沈み具合を 体で総合的に感じ取って行うが(効かないノーマルブレーキに加えて)Bの情報が腰砕けだととっさの際の限界でのコントロールはやりにくい。従ってアグレッシブな走りには当然向いていないが、OHLINSフロントフォーク+10Nにバネ交換の剛性感はすばらしく、ストロークのリニアティも好感が持てて、ついハードブレーキで遊びたくなってしまう。またとっさの際に踏ん張りがきくのは確かな手応えと言える。さらにアクセルのON・OFFでもフォークがフカフカしないのでバンク角が変化せず、小コーナーの切り返しでもバタつかず自転車のようにシャープなハンドリングである。ただし首都高速の段差程度では殆んどストロークしない。

【後サス】
加速が強烈なので高速道路でも路面の段差の突き上げでシートから腰が何度も落ちそうになった。ノーマルはフロントが比較的柔らかく、反面リヤは二人乗りの時に最適なほど堅く、フリクションがやや大きいような動きが滑らかでない印象を持っているが、OHLINSに交換後プリロードをかなり大きめに掛けているが、突き上げ感はやや残っているがしなやかさが感じられる。そして、切り返しのふわふわ感は全くなくサスの沈み込みに関連するバンク角の減少は少ない方で、低速での激しい切り返しも【ピシッとした感覚】で結構快適。前後のバランスも段差の突き上げ感からすると問題なし。そしてビッグツインのハイパワー化しても直線番長(コーナーが苦手)だが、このバイクは直線&コーナーの両方でOKだ!サス関連で50万円の投入は無駄では無いと思うがタンデム時には多めにプリロードを掛けないと私の妻の場合は右バンク角が激減してしまう。

【ブレーキ】
ごく最近の純正もやや効くようになったが、今までのハーレーはフロントを効かせるのに相当な握力(20kgf以上が)必要で、シングルディスクだとグリップ指向ではない純正タイヤでも制動時のスキル音(ロック寸前のタイヤの鳴き)を出すのには思いっきり強く握らないとダメだった。当然限界付近のコントロール性も良くない。さらにリニアティの無いフロントフォークと相まって、止める自信が持てず飛ばす気にもなれなかった。(これはコレで安全かも) 

【以下の内容は平常時の使用についてです】
今回は最短のオイルラインでダイレクトなタッチと、Wディスクの当たりの不揃いを嫌い、シングルディスクに巨大キャリパーで意のままに止まれて(ちょっと飛ばしても安心)を目指したが、NISSINのラジアルマスターシリンダーと相まって軽くタッチ・リニアティも良く、フロントはとても軽い握力でよく効いて制動力は絶大!ただし走り出して10KMぐらいはパットが冷えていてタッチはやや甘い。でも充分に暖まると路面の段差でロックが始まるほどハードに掛けても一番大切なリニアティが全く損なわれず、今まで乗ったバイクの中でも最高クラス。ただしやや車体が重いので、制動距離は(体感よりも)それほど短くはない。後輪も軽く踏んで十分に効くので問題なし。とにかく期待以上の出来だった。十分すぎる制動力と高いコントロール性を持っていて過去に私が乗ったブレンボ、ヤマンボ、AP、PMなどを装着のどの車両よりもタッチは繊細で限界付近でのコントロール性が高く、指2本でも強く掛けるとバトラックスBT−021が簡単に悲鳴を上げるほどで、剛性感のあるフォークと相まって車体の重さを感じさせないレスポンスである。純正ハーレーのブレーキ感覚で握ったら即ロックするほどで【ハーレーオーナーには怖いブレーキ】と思われるだろうと思う。でも限界付近でのコントロール性なんかツーリングライダーには無縁の特性だが、、、それと、全く平らな高速でハードに掛けると、心配していたシングルディスク故のフォークのヨレが微妙に感じられ、不思議だがハンドルが左に少し引かれるのを感じたが、不安に感じるレベルではなく、当初から予測していたベルよりも相当少ないレベルであった。なお、右ディスクだから右にハンドルが取られると思っていたら、左だったのは意外だった。大きな制動時には体重がハンドルへ移行するので体で押さえられているので全く問題はない。とにかく唯一無二のワンオフ品でお気に入りである。

ブレーキで60万円(プーリー入れると70万)の投入も大満足。このブレーキとサスでアメリカンバイクがスポーツVツインに変身の基礎が出来た感じ。それから、ルックスは見ての通りの大迫力だが【普通の人はこんな事しませんよ!】というレベルでもある。

注意【峠などで連続的にかなりハードに掛けた場合】
 STAGE10でディスクローターのオーバーヒートが判明 連続したハードブレーキングでペーパーロックを3度も起こして死にかけて、素直にWデスクに変更した。でも30万円以上掛かった!

【ホイール】
メッキもよく豪華・絢爛だが、やや思ったより重く、ココが軽いと軽快さはビュエル同等だろう。(別にビュエル風にしたくはないが)ノーマルはコーナーで自分の描いたラインより20cmぐらい外側をフロントタイヤがトレースするような、少しダルなハンドリング。これはオフ車と似て切れ込みが少なく自分で切り足す傾向のハンドリングに近い。そしてコーナーの切り替えし時にフロントフォークの柔らかさが相まってフワ付く感じだったが、堅めのOHLINS、18インチホイール、バトラックスラジアル等が相まって、【自転車のようなダイレクト感】を感じフワ付きゼロでハンドリングはシャープで素直。こうなるとコーナーも攻めたくなるのでローダウンからバンク角確保でリヤショックをノーマル長(タンク別体)に交換しプリロードも多め!!そして、こだわった左からのホイールは西部劇の幌馬車のようにスポークの根本まで見えてとても綺麗!でもホイールで25万円の投入はルックス重視のお遊びだったがアフターパーツをスパナ一本で取り付けたカスタムとは少し雰囲気が違うと思う。

とにかくハレーshopからはパーツ情報やカスタムの提案は受けずに、ひたすら個人輸入でパーツの殆んどを揃えたが、悩み、とにかく調べ、手間暇掛けて実現させるのは今思うと、とても楽しかった、趣味の醍醐味を長年満喫できたと思う。でも

1.後輪が排ガスで汚れるので整流板をマフラー後端につけよう *燃調で解消                          
2.タンデム時の右バンク角確保のためにオーリンズのプリロードの適正値を把握し、併せてマフラーステーを変更しよう       
3.安全のため300落としたレブリミットを元の6,800回転に戻して最後の燃調を取ろう(147馬力出た!)         

たったこれだけだが、コレを仕上げたら、さらに各部の熟成を重ね、ただひたすらに走り、常に綺麗に磨き、末永く愛用しようと思う。



  タンデムでは体重非公開の妻が乗るとこれだけ沈む              空車だとこんな感じだが、、、      



   そこで、ブラケットを少し曲げて貰う



  同時にリアホイールが汚れるので、ストレート出しのパーツを仕入れる



 それでも汚れるので、スカートに肉盛りをしてSUSの遮蔽板を付けて貰う



アイドリングでの計測 静かだが車検はNG (検査時はクワイエットバッフルで行こう)




2011.04.12

新車購入後、足かけ5年を費やしたカスタムの集大成というか、完成へのけじめにダイノマシーンンに乗せる

1.高速低負荷時にチェックランプが点滅(ヘット温度が華氏約190度)のためこの辺りのマッピングを少し濃いめに再設定                  
2.スパトラのエンドをストレートにして少し抜けが良くなったので、レブリミットを6,500から6,800に変更し全開時の燃調チェックと共にパワーチェック
3.アイドリングを約900回転に下げると共にヒート時には1,000回転に再設定                                    

で、どうだったか?

1.ダイノでチェックすると低負荷時にTPS(スロットルポジションセンサー)のコンピューターデータが何故か暴れており、旨く学習作用に反映されていないとのことで、ダイレクトに噴射量を多めに書き換えて貰った。このあたりはコンピューターをサンダーマックスに交換し、経験を積んだSHOPたから出来る技であり、純正コンピューターをSE(スクリミリイーミリリ^グル)のレースチューナーだったら、純正O2センサーはバンド幅も狭く、全開時のパワーだけしかセッティングは出来ないだろう。バーンの奥川さんに感謝である。

2.パワー測定で今回は115馬力で、以前と殆んど変わらず。とにかくターボパワーでモリモリ加速するのでガンガン廻す気にもならないし、ピークパワーはもう十分である。特に4速90〜190km/hが、あっという間であり、とてもレトロな空冷OHV二気筒とは思えないワープした様な非日常的な加速感がとても楽しい。もっと廻してモアパワーを!路線も充分なパワーを得ると逆に余裕が出て飛ばす気が薄れてくるのは不思議だ。

スポーツスターはスリムだがLOWなイメージだったが、2011年のメーカー新型を見ても、太い16インチのフロントタイヤで旧車系というかSHOPカスタムをメーカーがやっているような幼稚さを感じてしまい、私の目指したスリムでトール、カラフルでファンシーな『ブリンブリン』な感じとはかけ離れてきた。自分でやってきたカスタムに不満なところはもう無いし、変えたいところも無い。どんな新型が出ても心は動かないだろうし、あとは存分に乗りこなしていく中でこまめに熟成し末永く動態保存しよう。最低10年は乗り続けるぞ!


2011.05.19 箱根ツーリング 思わぬトラブル!!

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2011.06.20 燃調完了
事前に所沢のバーンさんに持ち込み、マッピングデータを見て貰うと、低負荷時の燃調がエアフロー(通称AF)のデータが正確に帰ってこず、暴れていてT−MAXの学習作用が進んでいない。吸気系を分解しチェックの結果、エアフロー・センサーではなく、スロットル・ポジション・センサー(通称TPS)がオカシイ!で交換したらバッチリOK.それとDISKにクラックが入っているかも知れないので試乗はしないでくれ!と電話したら、リアのプーリーボルトが1本抜けてその他も緩んでいるとのことで、増し締めをしてもらう。 
ところが、、、、、

2011.06.20 首都高速中央環状新宿線で締めて貰ったスプロケットのボルトが抜け落ち、完全に動力伝達能力を損失。所沢から関越に乗り、低負荷時の具合を見るため大人しく走っていたら、板橋辺りの首都高速で後輪から嫌な音! 持っていたレンチが合わず、あとはソロソロ・ヒヤヒヤで富ヶ谷出口を目指す。結局、その出口の600m手前で尽きてしまった。



直前にしっかり締めて貰ったが、画像の通りグラグラ
トルク・パワー共にノーマルの2倍あるので、この部分の強度も2倍にしないと、、、もともと、インチネジはピッチが荒く(接触面積が少ないので)緩みやすい。それと、プーリーベルトにかかる振動および荷重は相当な物のようだ。
純正がダンパーを採用しているのが何となく判る気がした。一昨年、911もクラッチのダンパーが粉々になったし、、太めの貫通M12か14ぐらいに1.25ピッチの細目でタップを立て直し、ネジロックでがっちり行こう。さらにリア・ブレーキブラケットもやり直しだなあ。社外のカスタムホイールはスタイル重視で細めのハブにやや細めのボルトがョンチョンと付いている。FXRS−Cの頃もこのボルトが緩んで、スイングアームに噛んで後輪がロックしたことがあった。



場所が富ヶ谷出口直前で、自宅から近く、2kmの移動で、レッカー20,800円 もし、カーブで、更に後輪がロックしていたら、暗い首都高速で転倒し前方不注意の大型トラックにでも轢かれていたかも知れない。



ハブのボルト穴の中で相当暴れた感じ。頭はブラケットと擦れてアルミ片がこびりついているし



1時間待って自宅までレッカー移動。
高校生の頃、CB72でチェーンが外れて横須賀にバイクを置いて帰宅し、翌週にチェーンを持参で引き取り以来のトラブルだ!



  対策プラン



今までの5穴から10穴に変更 このホイールはハブが3ピース構造で、何もない左ハブとセンターリム軸を止めているボルトが5穴
センターと(プーリーと接する)右ハブには左ハブ穴と、プーリーを止めている浅いボルト穴が5穴で、10穴ある。
そこで、この10穴をロングボルトで全てプーリー取り付けにしてしまおうとする物である。



プーリーローターも当然開け直し
左ハブ面は暴れており面出し、ブレーキディスク面は偏芯しており、これも補正してもらう



ボルトもクロモリで、長さも20mmから130mmmに延長



削れたブラケットは肉盛りして、再加工後メッキへ


超高速でブン廻している最中や転倒しなくてラッキー!!

海外のアフターパーツの品質を信じて、お気楽にぶっ飛ばしていた自分に反省。今回のリスクは大きすぎた!


左 暴れてギトギトで、なおかつ割れたスぺーサー    中央 今までのボルトx5本使い  右M12ロングボルトx10本使い

 

対策後 






この辺りの加工は普通のハーレーSHOPでは出来ないところだろう。さあコレでチェックは完了。あとは秋にスクランブルボタンを計画しよう!



2011.08.09 箱根ツーリングのやり直し

知人のKさんと彼のコーナーリングテクニック向上のために箱根に向かう。

先ず、前回の箱根以降問題山積だったハーレーは全て解決。炎天下でも走っていれば油温もさほど上がらず、快調そのもの。ただ、速度を上げるとラバーマウントとはいえ振動がかなり疲れの基となる。それと健康上の問題から飲水を控える厳しい生活を続けている私は、帰宅後軽い脱水症状。というか、帰りの東名高速の山北辺りの600Rぐらいのコーナーをぶっ飛んでいるときにちょっと咳払いをしたら腹筋が攣ってしまい(脱水だとヒトはイオンバランスが崩れ、筋肉が攣りやすい)悶絶しながらもアクセルは緩めなかった。さらに帰宅後左手の人差し指が攣って(これは痛くもないが) コップを持てずに苦労した。同行のマーニー・スフィーダにも乗ったが、鼓動感はあるもののハーレーのようなビシヒシ来る振動は少なく、トルクステアも感じないし、高速や、箱根などでは結構マトモに走り面白そうだし空力が良いのか?180km/hを超えても加速は衰えないが、逆にワクワクするような緊張感というかあ、まりにもすんなり速度が出てしまい感性に訴えるスピード感はレーサーレプリカと同じで無かった。さらに都内で乗りたいとも思わない。オーナーのKさんは、その他にもスプリンガー、ドカS4R,XR250,国産スクーターを所有し、以前にはワルキューレも所有していたバイク・コレクター。熱海に別荘を所有し、そこから気分次第で選んだバイクで伊豆スカイラインを満喫できる羨ましい生活を送っている。



2011.09.30
今度はSRX660の友人と共に、首都高3号→東名厚木→小田原厚木経由で最近無料になった箱根新道の入り口で、前述のKさん(今回はドカS4R)と待ち合わせ。熱海から箱根経由で来たKさん曰く、上(箱根山中)は霧と雨!で、今回のコーナーリング教室は中止!結局小田原のガストでお茶して解散。SRXの彼とはツーリングに行こうね!が7年越しの約束だったので残念だ。因みにこのSRX660は以前私が乗っていた物。今のオーナーの友人に貸したときにレギュラーガスを入れてエンジンブローし、煙モクモクの2サイクルエンジンになってしまった。そこで彼は、ピストンを特注で再製作して貰いエンジンを修理後、しばらく乗った後に、今度は160km/hぐらいで全開時にまたもやピストンが逝かれて再度2サイクルエンジンになってしまい、結局2度目のエンジンブロー。結局予備で彼に譲った400ccのエンジンブロックをベースに60万円掛けて作り直して貰い、その後5年間愛用している。途中彼なりのカスタムを加え、久しぶりに昔の愛車に乗ったが、相変わらず細身でシャープな乗り味と、気になるエンジン特性は安定志向で荒々しさは消えた。それとステダンが良く聞いて直進安定性は抜群。やっぱりシングルも良いなあ。それと、愛車のXL1200はバッテリーの寿命か、レギュレーターのパンクか、ジェネレーターの断線か?よく判らないが、走っても充電せず再始動でセルが回らない。帰路で行きつけのガレージリンクスさんにバイクを預け、SRXにタンデムで帰宅。




STAGE8へ!