SPORTS STAR STAGE12 FINAL
昨年から調子コイて、ツーリングで、何度も東名高速でフルブースト(1.4kg・cm3)を繰り返して国産リッターバイクをぶち抜いて遊んでいたら、今年1月にフルブースト時にバリバリ回転が乱れるなあと思っていたら、だんだんおかしくなり、結局エンジンブロー! バーンの奥川さんいわく、スタットボルトが折れたか、ガスケットが抜けたか? 取り付けをお願いしたガレージ輪クスの高橋さんは、最悪ピストンが溶けて、タービンのセンターコアまで逝ったかも、、
自分のポリシーとして、壊れるまで追い込んで限界を知り、そこからデチューンして末永く乗る!!なので、どこが逝ったか楽しみに待っていたら、高橋さんから、スタットボルトが熱ひずみで緩み、3層構造のガスケットが抜けた!との連絡有り。その他はシリンダーに傷も無く、ヘッド、バルブ辺りも感じは悪くないそうだ。さあそこで、ブーストを少しだけ下げて、EVCでオーバーシュートを大きめに取り、カムはSEツーリングからノーマルに戻し、5万円もする4枚のリードバルブ式の、ブローバイのワンウエイバルブを付けて、カスタム7年間の総決算に臨みます。目標は150馬力!?
2013.03.20 エンジンブローしたハーレーへの最終施策
STAGE12
1.バーンさんにあるスポタをガレージリンクスさんにトラックで引き取ってもらったので、とりあえずエンジンオーバーホールで原因を調査する( 3月末予定)
2.カムをノーマルに戻し、中速域の改善を計る。 ノーマルカムは地下室の大掃除で捨ててしまったので、調達必須だが、HDJでは何と117,000円!
3.圧縮比を7.8:1から、さらに若干低くする 分解したら、焼け具合も良く、損傷も無いので、そのままとする。
4.耐久性のマージンを考えて、EVCでブースト圧を1.4から1.2に落とす(予定) 結局落とさないどころか、カムを替えたらブースト圧は1.5まで上がった!
5.組み上がったら、バーンさんで再燃調でピークを出したら、前から気になっていた、ブローバイガスのリードバルブタイプを付けて、接続と大気開放で、
燃調後にダイノ上でパーワーチェックをして比較する。 *リードバルブ無しで行く
6.ブースト圧を落として末永く乗る。そのままとする!だって、ダッシュがものすごく楽しくて、壊れたら、また直せば良いから、、、
同時にノーマルのカムシャフトに戻そうと思い、パーツを探したが、新品は日本の正規販売店だと何と117,000円と驚きの価格。ちなみに本国では$400以下(3倍以上違う)たまにヤフーオークションで中古が1〜20,000円だが今回は無し。すかさずE−Bayで中古品を約6,000円で見つけたが、SHOPにお任せのビギナーライダーは日本価格のホッタクリに会っても気がつかずに喜んでいるのだろうか?そしてカムはテキサスから何と中5日で自宅に来た。これでは国内在庫と同じだし、ネットでオーダーでは納期30日なのでそんなに待てないし。
LiFePO4=リン酸鉄リチウムイオン電池に交換だ。SHORAI社 とりかえたら、セルの廻り方がかなり違う。今まで シュコ・シュコ・シュコ だったのが、シュルッの一発で始動だ!
分解だ!
吹き抜けた3層構造のガスケット
デトネーションというか、異常燃焼の形跡は無く、シリンダーに傷は無いが、一応ホーニングをしてもらう。
エンジンブローというと、深刻な又は壊滅的なエンジン故障をイメージするが、今回は幸いなことに、ガスケットだけで済んで、他の部分は問題なし!
でも、スタッドナット(ヘッドボルト)が前後シリンダーの吸気側で1本づつ緩んだので、ねじロックと、ワイアリングでかっちり留めるとのこと。
ガスケットが吹き抜けた部分のヘットが荒れているので、ミルで削る。
クランク側のスタッドボルトがぐらぐらになっていたので、ヘリサートを立てる。 ヘッドのナットにワイアリング。ココにやるのは珍しいだろう。初めて見た!
ギャレットタービン
過去にハーレーはクランク内圧が高く大きなパワーロスになっていると聞き、エンジンを下ろして、クランクケースを割って、4本あるカムシャフトの脇にM8で4本のエアー抜きを加工して貰った。コレで後軸88馬力が出たが、あるときブローバイのエアーパイプの先端にエアーキャッチタンクを付けたらいきなり80馬力にダウンしてしまった。ということはクランクの内圧を充分に抜いても、その先にキャッチタンクを付けるだけで8馬力のダウンなのだ。さらにそのことからクランクケースを割ってエアー抜きを沢山クランクケースに開けないと、後から何をしても大きなパワーUPは望めないと言うことだ。そして同時に、ブローバイガスの処理も試そうと思った。そこで、マエカワさんという方と何度も電話相談して、排気脈動量が大きいVツインは4枚タイプのリードバルブが超オススメ!というので、試してみよう。まずは、サイドカバーのブリード・パイプニップルを14φに拡大だ。ただし輪クスさん曰く、クランク内圧を落としすぎると、ピストンのセカンドリングが膠着する危険が増すとの警告も受けている。
最後にコレを付けよう! *ん〜ん 結果はイマイチ
クワッド(4枚)リードバルブのレデューサー *今回は成果は出なかった。(パワーUPなし) というか、リードバルブ装着時の測定がおかしくて、翌日の再測定でブローバイ解放と、密閉で比較したが、いずれも顕著な良さが出なかった。リードバルブがVツインではクランク内の負圧が圧縮と排気の抵抗になるようだなあ。
やっと、エンジンブローからリカバリーした!久しぶりに乗ったから?高速でフルブーストが怖くて出来なかった。感覚が鈍ったかなあ!
通い慣れたNAPS三鷹東八店 5月の連休中も2日通った。*ピットは2時間待ちが当たり前のように混むので開店前の行列に先頭で並んだ。
燃調を取る前の予備体力検査! 予備車検のようなモノ
窓ガラス超しに
オーバーシュートも僅かにあるが、ノーマルカムにしたらブーストは1.4ではなく、メーターでは1.5出ている!やっぱ、ターボはインテークが早く閉まる&オーバーラップが少ない方が良いという定説通りだなあ。
そもそも、ピークパワーはもう要らないので、ノーマルカムに戻して、とにかく中速域のレスポンス向上が目的だったが、ブーストも上がり、果たしてその結果は?
リードバルブを装着状態で、どうもデーターがおかしい。測定方法も2,000を過ぎてから全開では遅い! そこで、翌日再挑戦する。でも、5,500以上は燃調の再調整だなあ。
5,120回転から、5,376回転の狭い間でブーストが唐突に上がり、インジェクターが容量的に追いつかない。ということはもう限界!さらに大きなインジェクターに替えて再燃調はやらない(今は)*後でやりました!エピローグ4
エンジンをリカバリーしてカムをノーマルに戻して、再測定で燃調前のデータがバッチリが出た! パツと見ると多少のUPに見えるが、実際には6,000回転弱までの全ての領域で10馬力以上の大幅なUP *常用域では、ほぼ15馬力のUPと驚きの改善!
トルクも6,000回転以下で大幅なUP *最大で約2kgf・mのUPは素晴らしい!このことを中速域でのトルクUPというのだろう。まさにパワーバンドが下に下がってきた感じだ。大変結構&大感激!この差は乗りやすさでも実感できる。(ブローバイは両方とも先端解放)
それにしても、19kgf/mとは驚きのトルクだなあ!(後日20kgf/m超えを記録)
組み上がったバイクを引き取り、乗り出して第三京浜に入り、アクセルを開けてブーストを掛けたが、久しぶりに乗ったからか『こんなにレスポンス良いんだ!?』と勘違いしたが、実際にはエンジンが確実に進化していたんだ!
さらに、2012.07.17にブーストを1.1から1,4に上げた時には、ピークは確かに速くなったが、相対的に低速が弱くなった感じを受けて、今までは無造作なクラッチワークに、遅れてアクセルをガバッと開ければ豪快に加速するところが、小排気量車のように少し回転を上げて半クラからスタートしないと豪快感が出せなくなり、唯一不満だった。しかし今回のエンジンの組み直しで、往年の豪快感がスケールUPして帰ってきた感じで、ズボラな操作で、ダントツの早さが簡単に味わえるようになった。もう、こうなると無敵だが、充分なパフォーマンスを得てしまうと、小うるさいバイクが仕掛けてきても(いつでも抜き返せると思うと)気にせず先に行かせる余裕が出てきて、かえって大人しく走ってしまう。つまりパワーは安全に繋がるんだ!? それは操る本人の心構え次第でしょ!今まで懲りずに我が儘に協力してくれた輪クスさんの高橋さんに感謝だ。あとは、このプロジェクトに否定的なバーンさんの奥川さんをなんとか説得して燃調を取って貰おう!
さあ最後に、カスタム7年間の集大成とも言える燃調だ! *5月10日〜
ダイノに乗せたら、PCとの通信が途絶えた!(エンジンは回っている) すぐさまT−MAX本体を交換!
直近4年間の推移 146馬力あればもぅ良いでしょ!
最大トルクはNAPSでは19kgfmだったが、今回は18.1kgfm まあ、このぐらいは誤差だろう!
5,000回転過ぎから、前述の通りインジェクターの限界で、A/Fが薄い! 普通はピークを過ぎた辺りは濃いめが安全なので、やむなくレブリミットを落とす。今まで4速で190近くまで引っ張れたのが、今後は160チョイで5速に入れないと,
最高速も200km/hが限度だ。やはりノーマルカムだと回せない特性だし、それより中速域で大幅なパワー&トルクUPが出来たので、乗って一番楽しいので、まあ、良いかア!
インジェクターをさらにデカクすればいいが、中速域が充実しているノーマルカムではパワーバンドが更に上に広がることは無いし、7年目のカスタム(ターボ導入からは4年)をコレで本当に終了しよう。現状に110%満足。帰りの関越でもブースト掛けて楽しみながら走れたし、、あとは体力の続く限り、エアバッグ・ジャケット着て乗って楽しもう!
バイクを見るとナンシーという『コレ、何CC?』と聞く非ライダーの一般人が多いそうだが、イクラーという『幾ら掛かったの?』には、お答えできません。金出せば誰でも出来るモノでも無いし、『もう一台買える金額?』いいえ、三台分以上です。ナンジー『何時間ぐらい開発に掛かったの?』答え、構想・調査だけで50人月超です!
最後に乗った感じの参考に、BIGツインをボアアップしてチューンした場合には、スロットルを開けた瞬間にBIGトルクがほとばしる感じで、超豪快だが、逆にパーシャルやエンブレ時にはエンジンのゲコゲコ感がシリンダーの巨大さを感じさせるが、このスポタは普段の大人しいときはノーマルと同じで大人しく、開けると僅かに遅れて豪快に吹き上がる感じだ。
ふとリアパッドを見るとペラペラ! そうだ、フロントがフカフカで、峠を後輪ブレーキだけで何度も攻めたんだ! 早速交換。米国DNA社製だが、パットはVFR750用の9.5ミリ厚(真ん中の金色)が適合。下の赤はデイトナで10.5ミリでダメ
ライザーを4インチUPから2インチに下げる。これで、高速では前傾がやりやすくなった。
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