TURBO 最終計画
2012.03〜
STAGE8より抜粋
スタートでは、他のバイクが、回転を上げて長目のハンクラでダッシュして、各ギアで回転を上げてシフトUPするのを横目で見ながら、こちらは雑にクラッチを繋ぎ、2,500回転ちょっとでポン・ポンと無神経に早めにシフトUPすればもう圧倒的勝利。そして5速だと70km/h〜メーター振り切りまでシフトチェンジは一切不要。その場で開ければグイグイ加速する。それでいながら、2,000回転ちょっとの辺りでトコトコとツーリング気分で走るのも鼓動感が楽しめるし、飛ばさなくてもこのエンジンはとても楽しい。こんなに乗りやすくて(早くても・遅くても)楽しいエンジンは他に絶対ない!
おことわり。空冷OHVのレトロなエンジンでのターボチューンにご興味を頂き、ありがとうございます。試行錯誤の結果 このトラスクターボはあくまでも、ノーマルエンジンでのポン付けが前提であり、そのままボルトオンではターボの実力の30%も出せていない!このターボの導入を検討されている方は、SHOPに丸ごとお任せは避けたほうが良い!と私は思う。と言っても、私はトラスクターボが国内に流通しているのか?正規代理店があるのかも知らないが、ポン付けだけをするSHOPはまったく信用出来ないし、そのSHOPのターボに関するノウハウはたぶん低いレベルでしょう。それはボルトオンとはいえ、サンダーマックスのフルコンへの移行がベストであり、さらに付属のブーストメーターが不正確なことや、ワンオフでいくつかの部品を作って貰ったり、EVCなどの付加機器、さらにはエンジン自体の基本的なターボ対応への改造などが、不可欠だからです。
たとえば、ボルトオン状態ではブースト圧が0.8kgf/cm2ですが、この状態ではマイルドターボというか、NAでは成し得ないレベルのパフォーマンスは何とかぎりぎりで得られますが、ターボには、まだまだ性能をUPさせる可能性というか、潜在能力がたっぷりあります。ボルトオンで50〜100万円も掛けて『ターボ装着を威張りたいだけ』では無いのなら(安全係数を十分に取りながらも)もっとパフォーマンスを引き出すべきです。過去に、SHOPが言葉巧みにリスクをユーザーに負担させてハイチューンを試行し、得たノウハウで大名商売を行うのをいくつか見てきました。本気で導入検討の方はメールください。また、ブーストUPの詳細内容は、カム3個、ヘッド2個、ブーストコン4個など浪費し、やっと試行錯誤でたどり着いた結果であり、このHPの内容はヒントを含めてSHOPの商業利用は断固お断りします。
私は、自己主導型で失敗学習を重ね、自己満足を形成するのが趣味の王道と思います。燃調は自分で出来ないがインチ工具と油圧ジャッキ程度は車庫に揃えて、自己リスクで臨んでいます。*これが成功したときの喜びが一番デカイのです。
皆さんは、どのカテゴリーですか?
因みに比較対象として相応しくないかもしれないが、最速とも言える国内仕様YZF−R1と実際のパワー&トルクを概算で比べると、、
【パワー】YZF−R1かカタログ145馬力、後軸では130馬力チョイ(ただし海外仕様では160馬力)一方XL1200TURBOは後軸115馬力で、当然7,000回転以上は廻らない。ただし、3,000〜7,000回転では最大で30%近くもXLの方がパーワーで上回っている!
【トルク】7,000回転以下では全ての回転域でXL1200TURBOが圧倒的に上回る。特に5,000回転辺りではYZF−R1の何と約2倍のトルクだ! 良く考えれば後軸の最大トルクが実測13kgーmを超えるのは新型V−MAX、MT−01,スピードトリプルぐらいだろう。つまり、車重の差を考慮しても、常用回転域での瞬発力は遙かにXL1200TURBOの方が上で、2段も3段もシフトダウンして目をつり上げてぶん廻さなくても、そのままアクセルを煽れば豪快に加速する気楽さはレーサーレプリカには出来ないだろう。このことからもサーキットで全力で走るならもちろんYZF−R1だろうが、街中で気楽にブイブイ飛ばすにはXL1200の方が遙かに楽しいことが判るが、さらに特性データーには出ないが、Vツイン独特の鼓動感は、ゆっくり走ってもエンジン・フィーリングだけでも楽しめるのが、レーサーレプリカとの大きな違いだ。
でも、でも、欲を出してSTAG8でトライしたブーストUPは完敗だった。VVC(ブースト・コン)をMAXにしても4,000回転辺りでブーストが思ったほど上がらず、6,000回転近くなってやっとブーストが0.7kgぐらいに追いつく感じだ。このことはドライバビリティ面ではドッカンターボではなく、NA風吹き上がりで乗り易いともいえるが。
原因として、このターボキットで採用しているギャレットのタービンはやや大きくて1,800〜3,000ccの自動車向けで六気筒3,600ccのポルシェターボにもOKと書いてある。ということは、例えば四気筒2,400ccのエンジンでバッチリ回転するエンジン排圧量だとすると、XL1200は二気筒1,200ccだから排圧も理想値の何と1/2しか無いとになり、これは流量不足になるなあ。(ポルシェ比だと1/3になる)さらに、排気バルブからタービンまでのパイピングが@距離が短いA径がやや太すぎる感じで、リンクスさんも《脈動効果》で効率よくタービンを廻せていないのではないか?とのこと。大雑把に排気量=排気流量と仮定し、回転数に流量が正比例するとすると
XL1200 =600ccx2気筒 6,000回転でフルブーストしているので
4気筒2,400cc =600ccx4気筒 排気流量はXLの2倍 3,000回転でフルブーストになりそう
6気筒3,600cc =600ccx6気筒 排気流量はXLの3倍 2,000回転でフルブーストになりそう
でも、ボルト・オンターボ故に無理も多いと思う。それは高い圧縮比のノーマルエンジンにノーマルのインジェクションではブースト圧による噴射量のマネージメントも出来ないので、意図的に大きいタービンでブースト圧の上がり過ぎを避けている気がする。しかし、私のXLはエンジンを降ろしてクランクケースまで加工したり、圧縮比も7.8:1まで落としているが、今までの実験からブーストUPは失敗した。
そこでさらなるブーストUPには安直に軽自動車の小型タービンに交換するか、このターボのブレードの角度を起こして回転効率を高めようとしたが、現在多少出ているオーバーシュート(アクセルを閉じた瞬間にブーストが異常に上がりエンジンブローに繋がる)が危険なので、リンクスさんのアドバイスにより、先ず先に排気バルブからタービンまでの(細いパイプへの)パイピングのやり直しを計画した。そして、様子を見て、VVCを正確なEVCに交換→最後にタービンブレード交換の手順で進めることとした。
ダメならタービンユニットをリコンプリートの小さい物に替えるのも良いし、ツイン?シーケンシャル? おっと、そこまでは、、、
2011.04.03 パイピングが出来上がってきた。 下 トラスクキット内径41mm 上 今回製作の細め内径36mm 径では12%減だが、面積比では23%の減少だ。
2012.04.06 リンクスさんたらTEL 3,500回転でブーストが04から0.6まで上がったそうだ!
オリジナルは亜鉛系?のメッキ 今回製作はクローム
少し走ったら焼けてきた
2012.04.12 早速NAPSで体力測定
パーワー&トルク共に変化無し!
ただしブーストは今まで3,000回転で0.2 4,000回転で0.55 5,000回転で0.7 6,000回転で0.75
今回は 3,000回転で0.3 4,000回転で0.6 5,000回転で0.75 6,000回転で0.8
ピークで0.8位だなあ
*タービンをオーバーホールして、ブレードの羽根を起こし、VVCをEVCに変更でブーストUPに懲りずにトライ予定!
タービン後ろのパイピングをワイドに変更
2012.05.24 重大事態発覚
このハーレーにT−25系タービンは大きすぎるのは判っていたが、VVCをMAXでもブースト圧が0.8止まり。試しにアクチュエーターへのパイプを折り曲げて塞いだところ、ブースト圧は1.2まで出たとのこと。ということは、採用したバネ式VVCは外れ! さらにアクチュエーターも0.5ぐらいから開き始めてしまっているとのこと。
対策 @強化アクチュエーターまたは、強化ブローオフバルブ式にする、もしくはAEVCでキッチリブーストをUPさせ管理する。そこでAの案で行く。高価で大型なEVCは学習機能付きでオーバーシュートのタイミングなど微調が要らないが、今回は安くてコンパクトな上に、LED表示でサングラスでも見やすいディスプレーなので下のARKにする。
2012.07.05 さあ!実行
ところが、このEVCは、設定値の記憶が不揮発性メモリーではなく、12Vのバックアップなので、セルで始動時の電圧低下でメモリー内容はバア! さらに、過大なオーバーシュートや、バックアップ電源の電圧低下などで設定値が消えると、初期状態のノーコントロール(ブースト制御ナシ)になってしまう。=これは危険
さらにLEDが暗い、表示が目まぐるしく変わりとても読み取れない。そこで早速HKSに変更(発注済み)
とりあえず、EVC無効状態でパワーチェック 加給圧に乱れが出ているが、心配した燃調は崩れていない。
パワー112馬力→128馬力 トルク12.9kg/m→14.6kg/m ん〜ん 乗っても速さが体感できる。とにかく5,000辺りが、すごいトルクだ!
でも、スタートダッシュでは今まで1,500あたりでクラッチミートしていたが、今度は少しこの辺りが、逆にかったるい。NAPSの帰路で、元気なオフ車がいて、スタートダッシュで2,500と高めの回転でクラッチミートして多めにアクセルを開けたら4,000位から、フワ〜とフロントが浮いた!!!!愉快な初体験。
アナログブーストメーターはどうもあてにならないようだ。EVCのメーターピークで1.1位だなあ
Wikipediaでふとしたことから
“基本的にはカム角が大きくなればなるほど高回転高パワー、小さければ低回転高トルクの仕様になると言われているが、ターボ車ではある程度の角度を選ばないと、加給された空気が上手く燃焼室内に入らないため、ポン付けタービンレベルでは256〜264度がベストマッチだと言われている” ふ〜ん だったらANDREWSのN4でしょ!
次は、カムをANDREWSのN4にして、タービンの羽を起こして最終調整だ。ところが!
ケース・カバーを開けて判明! 3本目のアンドリュースN4は現状のマイルドカムより、オーバーラツプが大きい! ごれは失敗。リンクさんに迷惑をかけてしまった、
2012.07.10
カムもマイルドカム(ツーリングカム)に戻し、EVCをHKSにして(普通は低い設定値から小刻みに上げていくが)どうせフルブーストでも1.2ぐらいだろうから通過率を100%のスルーにして第三京浜に乗って合流車線でいきなり全開にしたら、アナログ・ブースト計が振り切れ(1.8超過)そして、直後にがっくりブースト圧が落ちて、0.7どまり。思わずエンジンブロー!あ〜あ。最初にやってしまった!
タービンブレードが飛んで燃焼室に入って、コンロッドが折れて、クランクケースをぶち抜いたか? 今、クランクケースはHDJで在庫切れなんだよなあ〜
ん!でも、その後もエンジンは廻っている。ハザードを点けて路側帯でとりあえず何度もEVCの設定をやり直す。これはワーニング設定と、ドロップブースト=ワーニング時のブースト圧設定が低すぎただけだった。結局、通過率65% ワーニング100kpaぐらいで、ブーストはアナログメーター読みで1.7(デジタルはとても見ていられない)それほど強烈な加速の変化は感じはなかったが、明らかにブーストが効くとバイクが軽くなるのは感じた。とにかく5,000ぐらいからのブーストの上がり方は尋常ではない! さあ、今週NAPSでダイノだ! ぶっ壊れるまでブーストを上げて、壊れた箇所を修理してそのブースト以下の設定で乗ろう!?
2012.07.14 (土曜日) EVCのセッティングのために知人のT氏と東名を流すが、途中から3連休の大渋滞。お目当ての箱根をあきらめ、Uターンしてガストでお茶。どうも、HKSのメーターは1.1kgぐらいしか表示しない。(アナログメーターは振り切り)なんかおかしいなあ!
T氏は警視庁のバイクスクールのチーフ指導員だそうで、ホーネット900は逆車のフルパワー 相手にとって不足はないので箱根でのバトルは次回までお預けになった。
20120717 運命の日
朝から高温注意報で、外気温35度の中NAPS三鷹東八へパワーチェック。三鷹と横浜をバイクで往復するだけで、体は脱水状態。通過率100% ワーニング170kpaぐらいで、トライ!
ん〜ん 最大ブーストは140kpa=約1.4kgf/cm2 程度だが、ブーストの立ち上がりが遅いなあ! これから時間を掛けて各部を見直し、壊れるまでブーストUPだ! 汚い話だが、ゲロを吐くまで飲み食いして、初めて本当の腹八分目が判るのだ!
VVCブースト 3,000回転で0.2 4,000回転で0.55 5,000回転で0.7 6,000回転で0.75
EVCスルー 3,000回転で0.3 4,000回転で0.6 5,000回転で0.75 6,000回転で0.8
HKSスルー 3,000回転で0.15 4,000回転で0.5 5,000回転で1.00 6,000回転で1.4 6,500で1.3
注 VVCとEVCスルーはアナログメーター読み HKSはデジタル読み(アナログは振り切れ)
そして注目の出力は
ふ〜ん こんなもんなんだ! と思うヒトはそれで良い ZRX−14R(ABS)なんて200馬力だし、、、、 でも、私はちょっと猛暑の中でのデータにニンマリしてしまった。でもパワーの出方には、ブースとUPが逆に抵抗となっているのか?少しパワーの落ち込みも早過ぎる感じでちょっと納得のいかない点がいくつかあり、体感的にはB=1.1の方が楽しかったなあ!これは今後の課題とする。
そして、さらに最大関心のトルクは?
ん〜ん。今回はダイノテストはアクセルの開け方がやや遅れ気味。それと4,000回転以下のトルクの出方にかなり疑問が残るなあ。(体感的にはB=1.1の方が楽しかった)これも今後の課題としよう! でも、NAハーレーのエンジンチューナーが可愛そうになるほどのビッグ・トルクだ。NAのハーレーだと2,000ccぐらいにボアアップしないと駄目かも。でも、これだと新型V−MAXやZX−14Rにはトルクで勝っているが、トライアンフのスピードトリプルには負けてるなあ。どちらにしても強烈なトルクだ! さらにトライアンフは直線番長なので、峠では負けないだろう。さらにスポーツ・スターは取り回しも国産車と大差ないし、ちょっと弄った国産リッターバイクを峠や230km/hまでの速度までなら充分にカモれるかも、、、、さらに、アイドリングはおとなしく音も比較的静か。ビッグエンジン特有のエンブレ時の不整爆発というか、ゲコ・ゲコ感が皆無の優等生。2,000回転ぐらいでトコトコ走っても軽快で楽しい。このエンジンはどんな速度で走っていても、常に私の心に何かを語りかけてくるんだ。注:YZF−R1はまったく無口で無機質だったが、、
とにかく、スタートで少し気合を入れると、その先はどんどん自分から回りたがるエンジンなので、すぐに6,800のリミッターが効いてしまう。さらにお金を出せば誰でも買えるCVOの奴だこも全然怖くない。もっとも私が掛けたコストはCVOより高いけど。 さあ、8月はお休みして、少し気になるエアフロー関係の問題点を突き詰め、秋になり気圧が高くて気温&湿度が低くなったら、さらなるモア・パワーを目指してがんばろう。最近はこのハーレーの構想が挫折し、思い通りに行かない事が多く続いたが、久しぶりに明るいトピックだ。数日後、リンクスの高橋さんから相談してもらっている北海道のターボショップにタービンを送って今後相談を仰ぐ予定。もし、3,500回転ぐらいからブーストが1.5ぐらい掛かれば180馬力&20kgーmも夢ではないカモと勝手な妄想を今から抱いて楽しんでいる。なんだかんだでいろいろやって失敗しながら少しずつ進歩していくのが、SHOPにお任せで結果だけをお金で手にするのとの違いだなあ。
2012.07.28
送ったターボSHOPの方とこのHPを紹介して電話で相談し、たくさんのヒントを頂いた。そしてリクエストは、
1.ピークブーストは程々で良いが、せめて3,500回転ぐらいから充分にブーストをフラットに掛けたい! 回答=一週間で出来る!
2.設定内容は社外秘とし、変なSHOPにノウハウは教えないこと 回答=守秘義務OK
STAGE10へ
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