サウンドクリニック 
          
*15年以上前に足を洗ったジャンルに初めてプロのメスが入る

前書き

1.20年前に、家を建て直しをする際にオーディオルームを作った。このオーディオルームには
  @音が入ってこない(遮音1)           
A音が漏れない(遮音2)           
  Bイイ音で聞きたい(造音)  の3つの目的がある。

2.遮音はPCコンクリートの部屋に防音ドアや26mm複合ボード、二重床などで、材料支給で施工
  も手伝い、まあまあ満足だった。                            
3.造音は手探りで、フラッターエコーを消すのに天井とスピーカー背面にロックウール化粧吸音板 
  (ソーラートンキューブ)貼り程度                             

4.バブル期に長期ローンで念願のJBLとレビンソンも入れて機材的には大満足でご満悦だった。 




でも音はどうだったか?

正直なところ、低音はブカブカして重苦しく(ブーミーと呼ぶらしい)高音は響きが不足し、ボリュームを上げないと全然イイ音がしない!機材に何百万も掛けて、こんな筈ではなかったのに!部屋が出来た瞬間から音は運命的に決まってしまうんだと思った。風呂場で小型の防水ラジオは良い音するし、逆にカーペット&カーテンに布団&ベットの寝室では静かだが、テレビは高音が吸われて音が死んでしまう!とにかく、『良い響き』=ライブ感が不足している!


ソーラートンキューブの吸音率 もともと吸音率の高い天井材であるソーラートンは表面を堅くすれば高域も反射するだろう!






そこで、堅くて、重たくて、厚く塗れる塗料を探して四国化研(現エスケー化研株式会社)のエポキシ系塗り床を天井と壁に重ねて塗る

*ビニールクロスも音のオイシイ部分を吸うよ!さらに床のタイルカーペットの上にもフローリングを自分で敷いた。



で音はどうだったか?


少しは改善されたがまだまだ高域不足。いっそのことステンレス板をグチチャグチャにして天井・壁にノリで貼ろうか?映画などで大音響なら聞けるが、ボリュームを絞ると音がバラバラでF特を見ても低域盛り上がりの高域ダラ下がり、低音は、その後何年間も苦心して、穴あきパネル壁の背後に大きな空気層を作り共鳴型の吸音構造(ヘルムホルツ)を作らないと低音の吸音は困難と理解し頓挫。結局11畳の部屋に38cmウーハーの4ウエイスピーカーは大き過ぎて(弊害多発で)いい音で鳴らせないんだ!という結論。まあJBL4344は昔からの夢だったが、逆にその夢に縛られてしまった。この辺りで手詰まりから急激にオーディオ熱が冷めてしまい、十数年の不毛時代(オーディオ氷河期)へ突入!
機器の差で音をコントロール(仕上げる)はもう無理!機器を100%活かす部屋作り!でも簡単ではない。LDを見るだけにしよう。や〜めた。オーディオ機器コレクション・マニアもや〜めた。

(大きく中略)

>平成18年に入ってふとしたことからBSハイビジョンのライブを見て感動。『そうだ、気楽な大画面を入れよう!』
そのためにはスピーカーを捨てよう、アンプも捨てよう、全部捨てよう、、、で部屋のガラクタを一気に捨てる。(70L袋x8袋になった!)アンプ、スピーカーは売却し、ハワイでリアプロの大画面を見てコレを買うことを決心。問題のスピーカーは分相応の小型ブックシェルフにしたいなあ。どうせ低域ブーミーだから低域が不足気味のスピーカーで丁度バランスが取れるハズ。



先ずは、壁の塗り直し(今度は水性アクリルのコンクリート床用塗料) *高域のレスポンスがかなり改善 シンバル・ハイハットが鮮明になった!



で、B&W805Sを入れて音を出したら、手軽に一発で結構イケル音と空気感(空間?音場?)が出た。(JBLの呪縛から解放された瞬間!)でも、まだ楽しさが欲しいなあ。ちなみに、B&Wのブックシェルフ型スピーカーは高域がクセ無く・自然・素直でありながら強烈に良く出るし、スタンドで背が高いので低音もカブリが少なく、とにかく扱いやすい。時代が重厚長大→軽薄短小へ移ったと思ったら、今度は高速・大容量がトレンドなのかも知れないが、大型タンカーより小型ボートの方が乗って楽しいのや、車なら大パワー車の速さより、小型車で気持ちよく廻るエンジンの方が乗ったら楽しいのと同じね。高価=高性能だが、高価=高音質とは限らないなあ。





こうなると欲が出て来て、未だ<>少しダブツく低音を吸って、逆に高音を反射する魔法は無いか?と考えていたところ、なんとサーロジックという会社のパネルを見つけた。

でも、眉唾物が多いオーディオ界で鵜呑みと飛びつきは禁物!と、やや慎重にサーロジックのHPをチェックしたが、私のDSPアンプがセット完了をきっかけに、オリジナルパネルで残響補正のヒアリングと補正のデモをしてくれる『無料ルームチューン』を申し込むと、意外なほど早いレスポンスで来てくれた。


1.パネルが何枚必要か判らないし、ホントに効果があるのかなあ?本当に低音を吸ってくれるのかなァ?
2.どうせだったら、ウオルナットなどの仕上げの板が良いなあ                             



2006.04.10 ルーム・チューン



先ずは、LVパネルをごっそり搬入し、あちこちに置きまくる。


最初に音を聞いた印象は、サーロジック村田さん曰く
1.まあまあB&Wが楽しく鳴っている方で、大きく改善課題は無いとのこと。  (残念だけどひと安心)
2.部屋はかなりデッド(残響0.3秒以下?)だろう!                       
3.125Hz辺りから早めに低域の残響が増加し、それがカブリになっているのでは?         
4.大画面が中央に有る場合はやっかいだが、出来るだけ画面を奥に引っ込めると良いのこと       



で、どうだったか?

1.成功例の多いスピーカー背面へのLVパネル設置では、もともと壁に高域反射の為にエポキシ塗料を自分で塗っているため効果は出なかった。
2.スピーカー横面にパネルを置くと、音がワイドに広がり良い感じになった。                              
3.結局、スピーカー横面に2枚、聴取位置の脇に2枚の最小構成でパネルをオーダーする。                        

ただし、他の場合はこのパネルで差が歴然と出るらしいが、私の場合は、色々やっている特殊なコンクリート住宅なので一般的な処方とは逆の傾向が出たようだ。とりあえずLVパネルにウレタン塗装を施し高域を更に改善の方向へトライ!*それと小物は高域を吸うとのことで、オーディオルームに物は置けない?=またまた大掃除・大整理だ!それと、翌日スピーカーを画面より前方に5センチ出したら高域が結構元気になった。コレならいずれ壁を削ってリアプロを引っ込めよう!

ココを削ってしまおう!




サーロジック村田さん 
レコーディングエンジニアからホールの音響設計・計測機器の製作を手がけて来た技術系の方で、オマケで音響パネルを開発した感じ。最後に残響特性を計測してもらう。




ん〜ん 思った以上にデッドな特性。それにしては音に躍動感がまだ残っているので救われるが、、、125〜400Hz辺りがバランス的に少し長いのが低域ダブツキの原因か?壁に塗ったエポキシは間違いでは無かったようではある。 個人的には残響時間は長めの高域ライブ傾向が好きだが、村田さん曰く、低域は100Hz以下で急上昇、高域は8KHz辺りは高い(長い)方が歯切れが良いそうだ。*高域の残響時間を伸ばして低域とバランスを取ると良いョとの村田さんからアドバイス!欲しいのはどちらかと言うと、違いの判かる音よりも楽しめる音だが、今までは音楽を楽しむ前に疑心暗鬼で音質が気になって楽しめなかった!今回、初めてプロの診断で、自分の求めていることが間違いではないと勝手に確信し安心した。これからも自分の感性を信じて、満足感を求めて頑張ろう!昔は音の粒立ち(音色)中心だったが、今は、響き(音場感)が命だなあ!『良い響き』ならDSPアンプは要らないかも知れない。

良いスピーカーを鳴らす(買えばいい)     
良いアンプで鳴らす(取り替えればいい)    
良いケーブルを使う(意味あるのかなあ?)   
良い部屋で鳴らす(影響大だなあ=たいへんだァ)



ビジネスクラスのシートみたいなリクライニング・ソファーを買った。重くて、大きくて設置で疲れて座ったら、私もグーグー寝てしまった。今年の夏は、クーラーガンガン効かせて70インチハイビジョンを見ながら、かき氷を手にして、うたた寝するんだ!